あなたは昨日、何時間寝ましたか?
日本人の平均睡眠時間は で、先進国の中では1位2位でダントツに短いという調査結果があります。
実は、睡眠不足が肥満につながり、ダイエットの妨げになっています。
オプティマム・ファスティングの考案者で薬剤師の坂田武士先生も、95%の成功率を出すオプティマム・ファスティングで失敗する5%の人は睡眠不足の傾向があると言っています。
なぜ睡眠不足はダイエットの妨げになるのでしょうか?
そこには私達の身体の仕組みが作り出す様々な理由があります。
出て欲しいものと出て欲しくないもの
睡眠と肥満の関係には「ホルモン」が大きく影響してきます。
ホルモンはよく聞く言葉ですね。
何かと言うと私達の身体の状態を一定に保つために働く情報伝達物質で、様々な種類のホルモンが身体の中で作り出されます。
ここで関係してくるホルモンは「グレリン」と「レプチン」という2つのホルモンで、睡眠時間で作り出される量が変わってきます。
このグレリンとレプチンは全く正反対の働きがあります。
グレリンは胃が作り出すホルモンで血糖値が下がったり、胃が空になると分泌され食欲を刺激します。
レプチンは脂肪細胞から出されるホルモンで摂食行動を抑える働きがあります。
つまり、グレリンは「食べたいっ!」という気持ちをわき起こさせ、レプチンは「そんなに食べなくても満足」と食欲を落ち着かせてくれます。
どちらも脳の食欲中枢にダイレクトに働きかける強力なホルモンです。
睡眠不足になると…
実は、睡眠不足になるとグレリンが多く作られ、逆にレプチンの分泌が少なくるという困ったことにおちいります。
睡眠不足は「食べたい」という食欲を上げるアクセル役のグレリンを増やし、「もう十分食べた」というブレーキ役のレプチンを抑えてしてしまいます。
ダブルパンチの状態ですね。
寝不足の翌日の食欲は、まるでブレーキの効かない自動車のアクセルをふかせているようなものです。
実際に睡眠時間の短い人ほど肥満度が高いという調査結果も出ています。
スタンフォード大学の調査でも睡眠時間が5時間の人は8時間の人よりグレリンが15%高く、レプチンが15%低いという結果が報告されています。
ダイエットで自己嫌悪する前に
食欲を司る脳のコントロールが利かず食べ過ぎてしまい、後で自己嫌悪に陥ってしまう…そこからダイエットを諦めるなんて方もいます。
グレリンやレプチンの作用は生きるために必要なホルモンなので強力です。
意志の力でなんともならない場合もあります。
頑張ってダイエットをしても食欲を抑えらないのは自分の意志が弱くダメなんだ…なんて思わないでください。
そこには睡眠不足の問題が隠れているかもしれません。
レプチンが少なく、グリシンが多い状態からくる脳の「食べろ!」という命令をココロが抑えるのは大変です。
そして、まだ睡眠不足の弊害はあります。
食べたいものまで変わってくる!?
寝不足になると食べたいと思うものの内容が変わってくるというのです。
アメリカの調査では徹夜明けの日は脂肪分が高い食べ物に手が伸びてしまい、自ずと高カロリーな食事内容になっていると報告があります。
知らず知らずのうちに高脂肪のものを選んでしまっているとしたら、それが続いているとしたら、やはり肥満への流れは止められませんね。
さらに睡眠不足で身体を動かすのが億劫になるとしたら。
身体の循環が悪く滞りができるとしたら。
脂肪分解をうながす成長ホルモンの分泌も睡眠不足では起こってきます。
どうあっても睡眠不足の身体では体重が減らない、逆に増えてしまう可能性が高いのです。
最適な睡眠時間は?
では、睡眠不足にならない適度な睡眠時間とはどの位なのでしょうか。
健康と寿命に関係する最適な睡眠時間は7時間とされています。
大規模な調査で睡眠時間が7時間だった人が一番死亡率が低く寿命が長かったという結果になっています。
必要な睡眠時間は個人差があるので、7時間を基準に平均的に6〜8時間が一般的な睡眠時間とされます。
そして、6時間を切ると睡眠不足だと感じる人が多くなってきます。
日中に耐えられないほどの眠気におそわれたり、疲れが解消できていない場合は睡眠が足りていない可能性があります。
7時間を目安に増やしたり減らしたりの微調整をして、翌日眠気を感じずに快適に過ごせるようであればそれが自分にあった睡眠時間です。
まとめ
ダイエットをしている最中はもちろん、普段の生活から睡眠時間を意識して生活するようにしていきましょう。
皆さんが忙しいのは分かりますが、人間の「食」と「睡眠」のこの2つは深い部分でつながっています。
何を食べるかに目が向きがちなダイエットですが、睡眠を確保する努力もダイエットを上手く進めていく秘訣です。
ダイエットだけではなく、皮膚のターンオーバーにも、日々のストレスにも、便秘にさえ睡眠は大きく関わってきます。
美しくありたい!そう願うならば自分の睡眠をもう一度見直してみませんか。
仕事に熱中しすぎたり、無駄にテレビやスマホをみたりなど寝不足の原因を減らす工夫をしていきましょう。
今、夜中にこれを読んでいるのであればすぐに寝て下さい。
寝るだけでダイエットの成功率が上がって綺麗になれるならやってみない手はないですよね。