ダイエットのために朝食抜きをしていたりしませんか?
また、どうしても朝は食べる気がしない…
ずっと食べない習慣だという方もいるかもしれませんね。
この度、そんな方には気になる研究結果が名古屋大学の研究グループから発表されました。
その研究結果とは…
朝食を抜くと太る!
えー、ダイエットのために朝食を抜いていたのに!という人にはショックな結果です。
ならば、朝食を食べた方が痩せられるんじゃ…
なんて思ったりしませんでしたか?
実は今回の研究結果はちょっとした落とし穴があります。
では、その落とし穴とは何なのでしょうか。
どんな朝食の研究だったのか?
名古屋大学の研究グループは28匹のラットを2つのグループに分けました。
一方は「8時に朝食をとる人」に見立てたAグループ、もう一方「朝食をとらずお昼にはじめて食事をする人」に見立てたBグループです。
起床時間も活動時間も同じになっていて違うのは、Aグループが朝食をとってから、4時間後にBグループが食事をします。
2つのグループの食事のは3回と2回に分かれます。
この環境で14日間の実験を行ったところ、Bグループの体重が増加していました。
何がこの違いを起こしたかというと、BグループはAグループに比べ
- 脂肪を燃やす肝臓の働きに時間の乱れがあった
- 1日のうちで体温が高くなっている時間が短かった
この2つによってエネルギーの消費が抑えられてしまい、体重が増える結果につながったということです。
名古屋大学のチームによると「規則正しく朝食をとることで体内時計がリセットされる。朝食が健康に良いということの科学的根拠になる結果だ」としています。
見落としていけないこと!
この結果を受けてTVメディアが街頭インタビューを行ったところ
「朝食を食べるようにします!」
「食べない方が痩せると思ってたけど逆ですね」
「やっぱり朝はしっかり食べた方がいいですね」
といったコメントが寄せられました。
では、この実験結果で見落としてはいけない落とし穴とは…
AグループもBグループも1日の食べる量は同じだということ。
28匹のラットは同じ量のエサを与えられていました。
また、エサは高脂肪食でした。
ラット全体の体重は増加傾向にあり、朝食抜きに見立てたBグループの体重はAグループよりわずかに増えていたという点です。
実験結果として解った朝食で体内時計の動きが整い、内臓やホルモンなど生体機能が上手く働くことは健康にとって大切です。
だから、しっかり朝食をとることは意義があります。
それに伴い消費エネルギーが高くなることも喜ばしい結果です。
ただ、今回の実験では「食べた量が同じ」「高脂肪食」という点は落とし穴です。
ここがとても重要だからです。
朝食をとったら痩せられる…!?
メディアでは「朝食抜きは太る」と盛んに情報が出ていましたが、重要な部分は伝えきれていないませんでした。
では、この実験結果を知って朝もしっかり食べて、昼もしっかり食べて、夜も…となったらどうでしょう。
結局、1日の摂取カロリーが多くなってしまいます。
朝食をとることで体内時計が整い消費エネルギーが多少増えても、多くとり込んだエネルギーは消費しきれません。
朝食をとった分を昼と夜で調整する必要があります。
それができてはじめてダイエットの効果が期待できます。
また、実験ではラットは高脂肪食を食べていました。
私達が取りあえずパンを食べよう、シリアルを食べよう、カロ◯ーメイトを食べよう…なんて炭水化物のみの朝食にしたらどうなるか。
朝から血糖値の乱高下がおこり、仕事は集中できず、10時過ぎにはお腹がぺこぺこになってお昼に食欲爆発!なんてことになりかねません。
もちろん朝から激しく動くような仕事であれば別ですが、それでも炭水化物(糖質)のみの朝食はリスクが高いのです。
糖質は消化が早いのに対し、脂肪やタンパク質は腹持ちが良く、また消化にエネルギー(食事誘導代謝)が使われます。
どんなものを朝に食べるかで違いが出てきます。
朝食をどうしていくか
太る、ヤセるは体に入ったり出たりするエネルギーの収支です。
食べたエネルギーが消費されるエネルギーより多ければ太り、その逆も然りです。
単純に朝食を抜けば太るというわけではありません。
朝食を抜くと「昼にたくさん食べても大丈夫」と思いつい食べ過ぎてしまう場合もありますが、それはまた別の問題です。
朝食を摂っていく上で気を付けることは
- 食事の回数が増えても摂取カロリーの合計は変えない
- 炭水化物だけではなく、タンパク質、脂質を組み合わせ食事誘導代謝を高める内容にする
- 食物繊維を多く含んだ食品を食べる
この3点を必ず守るようにしてください。
ただし、子供は成長のために朝食は必要です。
活動のエネルギー + 成長に使うエネルギー
この2つをまかなうために朝食は欠かせません。
私達大人は成長の必要がありません。体を動かす必要分だけ賢く食事をしていきたいですね。
縦に伸びないで「横に伸びる成長」、つまり肥満ですが上手な食事の配分でストップをしていきましょう。