果物はナチュラルでヘルシー!
カラフルで美しい果物を前に微笑む女性の写真なんか見ると、美容と健康にはせっせと果物を食べた方がいいような気になりますね。
ゴハンやお肉を食べずに果物に変えて、カロリー的には低くなっているのに痩せない。
または、お菓子を止めて果物に切り替えたのに体重に変化がない…なんて事はアルアル話なのです。
ナチュラルでヘルシーなはずの果物なのに…なぜでしょうか?
脂肪がほとんど入っていないのに脂肪がついてしまう食べ物
脂肪がほとんど入っていないのに脂肪がついてしまう食べ物があります。
それは果物とアルコールです。
果物にはビタミンやミネラル、食物繊維など体にいい物が多く含まれています。
ヘルシーだから沢山食べていいわけではありません。良い悪いは表裏一体です。
ダイエットを成功させていくなら、果物の持つ裏の面もよく知っておきましょう。
果物には何が入っているの?
果物の美味しさは甘みですね。甘みの成分はもちろん「糖」です。
果物に含まれる糖は3種類に分かれています。
- ブドウ糖 糖の一番小さい形
- 果糖 ブドウ糖が2つ結合した糖
- ショ糖 ブドウ糖と果糖が結合した糖
ブドウ糖は糖が一番小さく分解され吸収が早い状態。ショ糖は砂糖のことです。
この3種類の糖は果物によって含まれる割り合いが違います。そして感じる甘さに違いが出ます。
果糖>ショ糖>ブドウ糖
この順で果糖が一番甘く感じます。
実はどの糖も1gあたりのカロリーは同じです。
カロリーが同じなら違いはないんじゃない…と思ってしまいますが、食べ物は体の中に入ってからどうなるかが問題です。
これらの糖は吸収されたその後の変化が違うのです。
この3種類の糖の中で問題になってくるのが果糖です。
血糖値を上げない糖
果糖は吸収されると体で使われる事なく肝臓に送られ中性脂肪に作り変えられます。
肝臓で果糖から脂肪になるとそのまま内臓脂肪になっていきます。
さらに、果糖は吸収されても血糖値を上げません。血糖値が上がらないのでインスリンが分泌されないのですが、その反面、満腹感が得られません。
果糖が多い果物はついつい食べ過ぎてしまう可能性もあります。
インスリンが出ないから果糖を多く含む果物は太らないという説もありますが、肝臓で脂肪に作り変えられるのでそんな事はありません。
こういったことからダイエットにお勧めな果物は果糖と果糖を含むショ糖が少ないものという事になります。
可食部100gあたり | ブドウ糖 | 果糖 | ショ糖 | |
バナナ | 2.6 | 2.4 | 10.5 | |
リンゴ | 1.6 | 6.3 | 4.7 | |
ブドウ | 7.3 | 7.1 | 0 | |
キイウ(緑) | 3.7 | 4.0 | 1.4 | |
グレープフルーツ | 2.0 | 2.2 | 3.1 | |
パイナップル | 1.6 | 1.9 | 8.8 | |
イチゴ | 1.6 | 1.8 | 2.5 | |
ミカン | 1.7 | 1.9 | 5.3 | |
モモ | 0.6 | 0.7 | 6.8 |
(文部科学省食品成分データーベースより)
表から見ると、一番のお勧めはイチゴ。グレープフルーツ、キュウイフルーツがその次になります。
果糖もショ糖も比較的少なく、食物繊維も豊富です。
またブルーべりーやラズベリーとなどベリー類もおすすめです。今は冷凍で販売されているので簡単にに手にはいります。
逆に果糖、ショ糖が多い果物はおなじみのバナナとリンゴ。
リンゴなら半分、バナナなら1本です。
ブドウはブドウ糖が多いので血糖値が上がりやすい果物です。満足感は感じやすいですが空腹時には避けたい果物です。
果物を食べてはいけないとはいいませんが、食べる量を気を付ける必要があります。
みかんは食べやすいので2、3個ペロリと食べてしまいますが、1個で十分です。
1個か大きい物は半分まで、ベーリー類などは片手の平に乗るくらいで抑えておきましょう。
また、ジュースは果物を何個も使って作られているので、フレッシュな物でもゴクゴク飲むのは糖の大量摂取になります。気を付けて下さい。
食べるタイミングも注意
また、果物を食べるタイミングも注意しましょう。
果物は消化が早いため、空腹時にいきなり果物を食べると血糖値が急上昇しやすくなります。
急な血糖値の上昇はその後の空腹感にもつながるので、食後に少し食べるのがお勧めです。
特に3時のオヤツに果物を食べると食欲が刺激され、夕食まで持てずまた間食してしまったり。
ビタミン、ミネラルを補給するいい面と、食欲のコントロールを乱す面と両方あるのが果物です。
ダイエット中では表と裏のどちらの面を優先するか、その場その場で選んで食べていきましょう。
ビタミン、ミネラルは果物以外でも補えます。
注意!意外なところに潜む果糖
果物に多く含まれるので果糖なのですが、意外な食べ物にも多く含まれます。
それがドレッシングやケチャップ、ソース、麺つゆなどの調味液で、甘みがなくても原材料として果糖が使われています。
食品の裏にある食品表示を見ると「果糖ブドウ糖液糖」「ブドウ糖果糖液糖」「高果糖液糖」などが表示のトップに記されています。
どれも果糖やブドウ糖が含まれた甘い液体です。
もちろん、お菓子やデザート、ヨーグルト、清涼飲料水、乳飲料にも果糖はたくさん入っています。
特に果糖は冷たいと甘みが増すので、ゼリーやアイスクリーム、アイスコーヒーのガムシロップには都合のいい糖なのです。
今やスーパーやコンビニで果糖が使われていない食品の方が少ないかもしれません。
だから、果糖が入っていない食品を選んで暮らすのは大変です。
神経質になり過ぎるのもよくありませんが、食品表示をみて気を付けるようにしていきましょう。
まとめ
果物は体にとって良い成分が入っていますが、どの果物を選ぶか、食べる量、食べるタイミングなどを選ぶ必要があります。
果糖が体の中でどう変化するのかを知って、必要以上にたくさん摂らないように気を付けていく。その心掛けが大切です。
甘みを強くするため果物の品種改良が盛んに行なわれています。甘みが増す=糖が増えているということです。
今は果物だけでなく野菜も甘みを追求して品種改良が行われています。
トマトなどは果物以上に糖度が高く甘みがある品種もあります。
甘くて美味しくなるのは悪くはないのですが、甘みの裏の一面も考えて選んでいくようにしましょう。