私達の体は刻々と「サビ」ています!
なんて言われたら驚いてしまいますね。
実はクギなどの鉄がボロボロとサビていくように、私達の体もサビと無縁ではいられません。
サビは何かというと「酸化」です。
酸化とは物質と酸素が結びつくこと。この地球上に酸素があふれているかぎり、物質の酸化は止められません。
私達人間も例外ではなく同じです。
いえ、鉄や銅以上に私達は酸化をしています。なぜなら生きるための絶えず呼吸をして酸素を体中に送っているからです。
この酸素が起こすサビ(=酸化)が様々な老化を引き起こしています。
つまり、老けるとは「サビる」とも言えるのです。
目次
酸素には別の顔がある
私達が地球で暮らしていけるのは酸素があるからです。
呼吸で空気中の酸素を体に取り入れて、肺で酸素を血液中のヘモグロビンに渡し、血流に乗せて体の細胞のすみずみまで酸素を届けます。
届いた酸素を使って細胞はエネルギーをつくり、体温を保ったり、体の機能を働かせたり、動いたり、考えたりと様々な活動ができているわけです。
ちなみに酸素が届かない状態で3分過ぎると脳細胞は死んでいきます。
酸素は私達が生きるエネルギーを作るため最も重要で必要不可欠なのものですが、全く違う別の面を持っています。
実は、酸素は悪者だった
私達が酸素を取り入れてエネルギーをつくり出す時に、2〜3%の酸素が「活性酸素」というものになります。
活性酸素は聞いたことがある方も多いと思いますが、酸素分子(O2)から電子を一つ余分に取り込んだ不安定な酸素分子(スーパーオキシド)です。
活性酸素はとても不安定な状態なので、何かと結びつこうとする力が強くなります。
活性酸素が水素と結びつくと「過酸化水素」、過酸化水素が2つ結びつくと「ヒドロオキシラジカル」といったより強力な酸化力をもつ活性酸素や、紫外線によってできる「一重項酸素」など4種類があります。
活性酸素はその酸化力で体内に侵入した細菌やウィルスを攻撃する武器としても使われる良い面もあります。
ですが、大量に発生すると正常な細胞まで酸化させてしまう困っ面があり、体内で変化をしていくうちにより体の酸化を押し進める悪者としての面を持つようになります。
体の何がサビていくの?
では活性酸素で何が酸化されサビていくかというと、細胞です。
細胞をおおっている細胞膜が活性酸素と結びついてサビると細胞は変質してしまいます。結果、細胞が集まってできる組織の機能が低下する。これがいわゆる「老化」になります。
解りやすいところでは皮膚のサビです。肌の細胞が活性酸素で酸化されサビていくと、シミやシワ、たるみなどおなじみの老化が起こってきます。
また、肝臓は血液を大量に使って仕事をするので活性酸素が発生しやすい臓器です。肝臓の機能の低下は疲れやすさに結びつきます。
血中の悪玉コレステロール(LDL)と活性酸素が結びつくと酸化LDLになって血管の壁をサビさせていきます。これがの血管の老化、いわゆる動脈硬化です。
また、細胞内のDNAを壊し細胞をガン化させてしまいます。
どんな時に造られるの?
呼吸をして酸素を体に取り入れるだけでつくり出される活性酸素ですが、こういった要素でより体の中で発生します。
- 喫煙
- 肥満
- 飲酒
- 紫外線、X線をあびる
- 食品添加物の摂取
- ストレス
- 過度な運動、激しい運動
分かりやすいのは紫外線ですね。
紫外線は皮膚の一重項酸素を作りだし、皮膚をサビさせます。皮膚のシミやシワはこういった酸化の影響です。
サビない、老けないためには何をする?
そんな活性酸素に対抗するために私たちの体には元から「抗酸化酵素」というものがあります。
抗酸化酵素は体でできた活性酸素を無害していく大変ありがたい酵素です。が、一つ問題があって年齢とともに抗酸化酵素の量は減っていきます。
つまり、歳をとると共に活性酸素の酸化に対抗できなくなってしまうのです。
老けるということは抗酸化酵素が少なくなるから起こるともいえます。
なので、抗酸化酵素をあまり使わなくてもいい生活を心掛ける必要があります。
例えば活性酸素がたくさん作られてしまう喫煙を止める、加工品はほどほどにしていく、紫外線を過度に浴びない、無理な運動はしないなど日常気を付ける点はいくつかあります。
どうやってサビから自分を守っていく?
ただ、そうはいってもできてしまうのが活性酸素です。
抗酸化酵素の代わりになるものをとり込む!
これが一番簡単です。
では、代わりになるものとは…
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンA
- 抗酸化物質
とくにビタミンCとビタミンEはセットで酸化に対抗する働きをします。
ビタミンE
ビタミンEは自ら活性酸素に酸化されることで細胞膜や悪玉コレステロール(LDL)を酸化させるのを防ぎます。
初めに作られる活性酸素のスーパーオキシドに対抗するために真っ先に働きます。
ビタミンEはナッツ類、植物油、魚などに多く含まれ、1日6g以上は最低必要になります。
ビタミンC
自ら酸化されたビタミンE(ビタミンEラジカル)はそのままにしておくと他を酸化しはじめます。ビタミンEだけでは抗酸化が中途半端なのです。
ここで活躍するのがビタミンCです。ビタミンCは酸化されたビタミンEを元にもどす働きがあります。
酸化に対抗するにはビタミンEとビタミンCをセットで摂ることが重要です。
ビタミンCは1日必要量が100mgになっていますが、それだけでは絶対量が足りません。また、一度に大量に取り入れても吸収できる量が決まっていて余った分は尿と一緒に出てしまいます。
1日のうちにこまめに補給していくようにしましょう。
ビタミンA
ビタミンAは様々な種類があります。その中でβ-カロテンは一重項酸素に対して働いてくれます。
同ビタミンAの仲間のリコピンやルテインは皮膚や目の網膜の酸化を防ぎます。
動物性のものより体内で備蓄のきくβ-カロテンを摂るようにしましょう。
β-カロテンは必要に応じてビタミンAに変化してくれます。
その他、抗酸化物質
その他、ビタミンQ、コエンザイムQ10もビタミンとしての抗酸化力があります。
お茶のカテキン、ブドウやワインのポリフェノール、鮭などの赤色の色素となるアスタキサンチンなど抗酸化力のあるものたくさんあります。
ビタミンA、C、Eを積極的に摂りながら、他の抗酸化物質の助けも借りながら体をサビ付かせないようにしていきましょう。
サビない老けないは自分で作れる!
日常で抗酸化の力のある栄養素を補っていく心掛けが「サビない老けない美人」になっていく秘訣です。
同時に活性酸素をつくり出さないよう、ストレスをためないような生活の工夫、睡眠時間の確保などやれることはたくさんあります。
肥満にならないような食生活の改善もサビない老けないために考えていきたいですね。
1日、2日ではかわらないことも半年、1年、5年と経つと埋められない差となって現れます。
今日からすぐに始められることからスタートして下さい。
体は食べた物からできています。
また、今の食生活を見直したい、どうしたらいいか分からないという方にはカウンセリングを行っております。
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