ダイエットを変える!第6の栄養素のチカラとは

第6の栄養素のチカラ

ダイエットで注目してほしい栄養素があります。それは、近年加わった新たな栄養素です。

以前、食べ物の栄養は5大栄養素として5つに分類されていましたが、今では6大栄養素として6種類になりました。

 

実は新しい栄養が付け加わったわけではなく、以前からある栄養素に含まれるものでした。

それは…「食物繊維」です。

 

以前は炭水化物=糖質+食物繊維で、炭水化物の中に含まれていました。

では、なぜ食物繊維は第6の栄養素として炭水化物から独立できたのか?

それは私達の身体にとって見過ごせないほど重要な働きがある事が分かってきたからです。

 

6大栄養素の円

 

食物繊維とは?

まず、食物繊維とは「人の消化酵素では消化できない難消化性成分の総体」と定義されています。以前は「食べ物のカス」として評価されませんでしたが、次々と健康にいい効果を持つことが明らかになってきたのです。

食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けない不溶性食物繊維に別れます。それぞれ働きは違いますが、その重要性は日を追うごとに高まっています。

 

食物繊維の役割とは

  • 便秘の予防・解消
  • 腸内細菌叢の改善
  • 脂質異常症の予防
  • 有害物質の排泄作用
  • 発がんリスクの軽減
  • 糖尿病発症のリスクの軽減
  • 高血圧の予防

 

ざっとあげても食物繊維の働きは様々になります。まだまだ未知の部分がある食物繊維は新しい発見が楽しみな栄養素です。

そして、ダイエットにおいても大切な役割をになっていることが分かってきました。

 

食物繊維の3つの効果

様々な働きのある第6の栄養素、食物繊維ですが何がダイエットに関わってくるのか?

その3つの効果についてお伝えします。

 

便秘の改善

まずは便秘の改善です。便秘ではない方にとっもて食物繊維はとても頼もしい働きをしてくれます。

では、便秘になるとどんな事になるのか?

 

本来は外に出る便が腸内に貯留されるわけです。

排出される毒素や、腸内細菌でも大腸菌やウェルシュ菌など悪さをする菌(悪玉菌)の活動が活発になります。更に悪玉菌の出す毒素が血流に乗って全身に回ります。

こういった毒素が脂肪細胞に入り肥満の元になっていきます。

もちろん便秘になると、肌荒れ、むくみ、頭痛、疲れやすさなど女性には辛い様々な症状が現れます。更に睡眠の質も低下させます。

睡眠不足は食欲を狂わせコントロールをしづらい状態にしてしまうので、これも間接的に肥満につながっていきます。

 

そこで食物繊維を摂っていくと…

  • 食物繊維は消化されず大腸に送られ便の主成分になります。便のカサを増やして水分を保つ事で排泄しやすくなります。
  • 食物繊維は腸内細菌のエサになります。乳酸菌やビフィズス菌など良い働きをしてくれる菌(善玉菌)は食物繊維を食べて増えていきます。
  • 食物繊維が菌に消化され「酸」がつくられます。この酸が大腸の働きを活発にして便を出しやすい状態にしてくれます。
  • それと同時に酸が腸内を弱酸性にします。悪玉菌は弱酸性では力が出せず、その点でも腸内の善玉菌が優位になっていきます。
  • 悪玉菌が減っていくことで毒素の発生がおさまり身体の回りが良くなると代謝の改善にもつながっていきます。

 

食物繊維とシリアル、ライ麦

話はそれますが、ヨーグルトから善玉菌を摂り込んでもエサになる食物繊維がないと効率よく菌は増えていきません。

(※ストレス等からくる「けいれん性便秘」の場合、不溶性の食物繊維は逆効果になる場合もあります)

 

血糖のコントロール

食物繊維の働きとして、血糖のコントロールがあります。

食物繊維は小腸から吸収された糖が血管に摂り込まれるスピードを遅くします。

糖が吸収され血液内に回りだすとインスリンというホルモンが分泌されます。これは皆さんもよくご存知ですよね。

 

インスリンは細胞内に糖を摂り込ませ、高くなった血液中の糖の濃度を一定にする役割があります。

糖が速いスピードでたくさん血中に入り込むと、インスリンもそれに反応して早いスピードで過剰に分泌されてしまいます。

血糖とインスリン

 

実はインスリンにはこんな働きもあります。

  • 脂肪細胞への糖の取り込みを増やす
  • 糖を脂肪に変える
  • 脂肪細胞の中の脂肪酸を外に出さなくする

 

通常範囲内であれば問題ないのですが、インスリンが急激に多く出るような状態であれば脂肪を貯め込むことにつながります。

糖の脂肪合成

インスリンの分泌を決めるのは血液の中に糖の量です。食物繊維によって腸からの糖の吸収がゆっくりになればインスリンの分泌も緩やかになります。

また、急にインスリンが過剰に分泌され濃度が上がると、血糖は反比例して下がります。今度は逆に血糖が足りない状態になります。すると、脳は食欲中枢をコントロールして食欲を活発にさせるようにします。

空腹の時に突然、消化の良い甘いものをたくさん食べるとどうなるか…想像がつきますね。

甘いものを食べたら、その後空腹感が解消できずドカ食いをしてしまった!なんて、これは血糖とインスリンが起こす食欲中枢の混乱です。

 

エサになって食欲の調整

上段の食欲のコントロールの続きにもなるのですが、食物繊維自体が食欲に関係する作用を引き出すことが分かってきました。

食物繊維は腸の中で腸内細菌の発酵作用で分解されます。この発酵を行ないながら善玉菌は増えていきます。

食物繊維を発酵して分解されたものに「短鎖脂肪酸」があります。

短鎖脂肪酸の代表的なものは酢酸、プロピオン酸、酪酸の3つで、その働きは様々な身体の調整を行なうことが分かってきました。

 

ダイエットに関係することとしては下記の働きがあります。

  • 短鎖脂肪酸は腸管から出されるホルモンの一種で食欲を抑える「ペプチドYY」の分泌を増やしていきます。
  • 交感神経に働きかけエネルギーの消費をすすめる

 

短鎖脂肪酸にはこういったダブルで嬉しい効果があります。

また上段で便秘の解消をしてくれる「大腸を動かす酸」についてお伝えしましたが、その酸とは短鎖脂肪酸のことです。

腸内を弱酸性にして、悪玉菌の繁殖を防ぐのものも短鎖脂肪酸になります。

グラノーラ、シリアル

まとめ

以上、食物繊維を上手に食事に取り入れていくことが、これからのダイエットには不可欠になっていきます。

食物繊維の最低必要量は男性21g、女性18gです。

これ以上を毎日の食生活で摂り込んでいく工夫が必要です。

野菜やキノコ類、海草類、こんにゃく等をたくさん取り入れた食事を心掛けるようにしましょう。

また、玄米や大麦、ライ麦などの穀物にも食物繊維は豊富です。

食物繊維、サラダ

 

まずは自分がどの程度の食物繊維をとっているか意識してみて下さい。

便秘がちであればなおさら、食物繊維が足りていないかもしれません。

日常の食事の中に積極的に食物繊維の豊富な食材を取り入れていくと、腸の中からダイエットの手助けをしてもらえます。

 

そして、いざという時に強い見方になるのが、特定保健用食品(いわゆるトクホ)の食物繊維入りの飲料です。

だいたい、1本に5〜6gほどの難消化性デキストリンという水溶性の食物繊維が入っています。

外食などで食物繊維がとれない状況では、食事の前にこの食物繊維の入った飲み物を飲んでおきましょう。食べた後ではなく、食べる前に飲むのが肝心です。

特定保健用食品のマーク見本

 

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