「私は私です」
こういった事はよくいわれますね。では…
「私のカラダは私のもの」となるとどうでしょう。
「私は私」と同じで、私達は自分の心や身体を支配していると思っています。
でも、実はそれは違います。
目の前のコップをつかんで水を飲む、行きたい所に歩いて行く…したいように自分の体は動きます。
色々なことを見て聞いて、感じて、考えて、話して…
何で自分の心や身体は「自分のものじゃない」と言えるのか?
自分の物じゃないというなら、いったい自分とは何だろう?
そんな疑問が湧いてきますね。
そして、ダイエットと何の関係があるのかと思うでしょうが…大ありです。
私のカラダはどうなっているの?
私達の身体は約40兆個の細胞でできています。
一つの受精卵が分割を繰り返して増えながら身体ができています。
今もその受精卵から同じDNAをコピーされ分裂した新しい細胞が作られ、臓器や脳、血、皮膚と様々な体の一部になっていきます。
その点では「私は私」です。
実は私達の身体は「私は私」といえる細胞がある一方、自分の細胞以外の生き物が100兆〜1000兆も身体の中にいたりします。
自分のDNAを持つ細胞(私)が40兆だとすると、そうではない違う生物がはるかに多くいる身体。
身体をそうやて捉えてみると…こうも言えます。
私のカラダは私であって、また私ではない。
私を支配する10mの中の出来事
皮膚にも口の中にも自分でない違う生き物がいます。特に多いのは腸の中です。
腸の長さは約10m。
この中に100〜3000種の他の生物がなんと100〜1000兆以上住んでいます。
ビフィズス菌、乳酸菌、ウェルシュ菌、大腸菌…名前は知っていますね。腸内の中の細菌、腸内細菌です。
腸の中だけでも私達の細胞より多い数の細菌がいるのですが、大きさは小さく重さにすると1.5〜2kgほどです。
この腸内細菌が出す物質が消化や吸収に関係したり、アレルギーなどの免疫や様々身体の調整に使われます。
また100〜3000種もの腸内細菌ですが、人によって居る菌の種類が違ってきます。
どんな種類の細菌がいるかで私達の身体は変わってきます。
もちろん、先に書いたようにダイエットにも関連します。
ある意味、腸の中10mで起っている事が私達をコントロールしています。
太る菌はいるの?
以前、デブ菌といって太る腸内細菌がいるのかどうかが話題になった事があります。
実際に肥満の人の腸内は肥満の人特有の細菌が多くなっています。
これは人種や国、年齢が違っても肥満になると同じような腸内の状態になっていくことが分かっています。
逆に痩せている人には痩せている人特有の細菌がいたり、細菌の割合になっています。
実はこの肥満の人特有の腸内細菌は脂質が大好き。
油っこいものを好んで食べていると、肥満特有の菌が増えてしまう事になります。
さらに、肥満特有の菌は肉や揚げ物、スナック菓子など脂肪の多いものをより美味しいと感じるようにしむけます。
腸内細菌は自分たちを増やすために、食の好みをコントロールしはじめます。
自分の意思で食べたい物を食べていると思ったら、細菌に操られているだけかもしれません。
こういった特性が太る菌といえとると考えれば、そうかもしれません。
ただ、嬉しいことに食事療法で肥満の方が痩せると、腸の中の細菌は痩せた人の状態に近くなります。
痩せる菌はいるの?
では、痩せる菌が入ると痩せるのでしょうか?
そういった考え方ができる種類の細菌もいます。
実際は食事療法など食の変化によって身体が痩せていくと肥満特有の菌が減り、腸内の菌の勢力も変わってきます。
どんな食べ物が入ってくるかで腸の細菌は大きく変化をしていきます。
ある腸内細菌がつくる物質は脳に働きかけ食欲を抑えたりします。
この効果が痩せ菌と言えばそうかもしれません。
まとめ
「もっと食べたい」や「もう十分食べた」と感じる満腹感も自分のものではなく
腸の中10mにいる細菌にコントロールを受けているとしたら…
そうなると、身体も心も私のものと言い切れなくなりますね。
細菌にコントロールを受けるなら、逆手に取って希望する菌を腸内に増やしていき、こちらのほしい状態にもっていく事もできます。
「プロバイオティクス」という言葉を最近よく見かけます。
腸内細菌を利用して身体を整える方法です。
ヨーグルトなどの発酵食品から医薬品の応用が始まっている、これから楽しみな分野です。
タイトルの通り、私のカラダは私のものではない。
私達と細菌とは切っても切れない一緒に生きる間柄です。
腸内細菌の性質を上手く取り入れながら賢くダイエットをする方法もあります。
細菌という目に見えにくいものと上手に付き合っていくのは、それほど難しいことではありません。
特別なことではなく、日々の食事から少しずつ変えていく事を始めていきませんか。
個別カウンセリングを随時受け付けております。









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