遅くに食べる夕食は肥満の元になる!
そんな事を聞いたことはありませんか?
日本人は本当に忙しいですね。
残業時間の削減が取りざたされていますが、現実は仕事が終わらないからしょうがない…と頑張ってしまいます。
年代的にはやはり30代半ばから40代の働き盛りの方がこんな状態になりがち。
夜11時過ぎでもコンビニの弁当の袋を持って帰宅する人をよく見かけたりします。
果たして遅くに食べると本当に太ってしまうのでしょうか。
目次
「夜食症候群」になっていませんか?
仕事が終わらず、遅く帰ってやっと夕食。
疲れていると夕食後に眠くてすぐ寝てしまうという生活パターンになりがちです。
ちなみに、夕食から就寝までの時間が2時間以内という事がある人は、女性で4割、男性は6割という調査結果もあります。
「夜食症候群」という言葉を聞いたことはありますか?
厚生労働省は9時以降、夜遅くに食べた物のカロリーが全体のカロリーの25%を越えると、体にとって良くないことが起ると注意を促しています。
良くないこととは、メタボリックシンドロームにつながる肥満です。
ではなぜ9時以降の遅い時間の食事は太りやすいのか?
実は、そのメカニズムはしっかりと分かっていないのです。
が、いくつかの太ってしまう要因が重なっているようです。
そのいくつかの要因とは…
大事なホルモンが効かない!?
脂肪細胞からつくり出されるレプチンという物質があります。
このレプチンは食欲を抑えてくれる働きをするのですが、遅い時間はレプチンの効きが弱くなります。
つまり、食べても食べても満足できず、食欲にブレーキがきかない状態=過食になってしまいがちです。
食欲が治まらなくて、夕食を食べたのにデザートやスナック菓子に手が伸びることはありませんか?
早い時間の夕食よりも遅い時間の夕食の方が、気が付かないうちに量を多く食べている可能性が高いのです。
ため込みは夜間に
また、夜遅くになるとBMAL1(ビマルワン)というタンパク質が増えます。
このBMAL1は脂肪の合成して、たくわえていくという役割があります。
遅い夕食で吸収された栄養は増えたBMAL1で脂肪に変換さやすくなります。
さらに、血糖値を下げるホルモンのインスリンも脂肪の合成をしますが、夜間の方がその働きが強くなります。
BMAL1、インスリンによって夜遅くの夕食で摂り込んだエネルギーはダブルで脂肪にされてしまいます。
大事な効果も下がります
私達は食事をすると体が暖かくなりますね。
これは食事誘導性熱生産(DIT)といって胃や腸が消化活動をする時に出す熱です。
この DIT は消費カロリー全体の10%にのぼります。
基礎代謝が60%、DIT が10%、運動消費化30%が平均的な配分です。
困ったことに、夜遅い夕食はこの DIT が低くなってしまいます。
本当なら自然にエネルギー消費してくれるはずなのですが、そういった効果が低くなります。
つまり夕食の栄養が消費されずに余ってしまい、ため込まれます。
いくつもの重なりが脂肪をつくる
夕食が遅くなると太るのかというと… やはりそういった傾向にあります。
それも1つの大きな原因があるわけでなく、上記のようにいくつもの要因が積み重なることで起ってきます。
1日ではたいしたことはないのですが、それが何年も続くなら?
例えば遅い夕食でたくさん食べ、すぐ寝てしまい10gずつ脂肪がたまっていくとします。
10g × 30日 = 300g
300g × 12ヶ月 = 3600g
単純計算ですが1年で3.6kg の脂肪が増えてしまいます。
7時に夕食なんてムリ!ならば…
でも、7時に夕食なんてムリ!!というどうしようもない状況もあります。
ならば、食べる内容を変えていくしかありません。
はっきり言ってしまえば食べるエネルギー量(カロリー)を落とすことが一番です。
なら、おにぎり1個にしておこうか…
なんて確かにエネルギー量は少ないのですが、全くもって賢いやり方ではありません。
サラダだけの食事も同じです。
疲れが取れない、肌荒れ、便秘、貧血、気力がわかない…
体に必要な栄養がかたよると問題が起こりはじめます。
入るエネルギー量は落としても生きていくための、体をつくっていくための栄養は絶対にいるのです。
たまる脂肪は脂肪にあらず
体にたまる脂肪は元から脂肪ではありません。
余った糖が脂肪に合成され、脂肪細胞の中にたまっていきます。
食べ物の脂肪よりも、この糖から合成される脂肪がやっかいです。
夕食のエネルギー量を減らすにはまず糖を含む炭水化物を減らします。
そこから、さらに糖を吸収しづらくします。
そのために食べ方を工夫します。
◇ 汁物、野菜もの
↓↓↓
◇ 肉、魚のおかず
↓↓↓
◇ 最後に少量のゴハンなど炭水化物
こんな順序で食べていきます。
こうすることで、糖の吸収が穏やかになります。
また、炭水化物の食べ過ぎも防げます。
サラダなどが難しいときは活用して欲しいのが特保の飲み物です。
難消化性デキストリンという食物繊維が入ったお茶や水です。
必ず食事の前に飲むのが鉄則です。
食後ではなく食前に一本飲んでしまいます。
(食物繊維が5g以上含まれます)
パスタ、うどん、そば、ラーメンなどの「主食=炭水化物」という夕食は遅い時間は避けて下さい。
夜は寝るだけで体を動かさないので吸収した糖は余ってしまいます。
すると、上記のBMAL1 やインスリンの働きが強い夜は、糖が脂肪に変えられていきます。
脂肪も脂肪、これは当たり前
では、メインのおかずは何でもいいかというと…そんなワケないですね。
脂肪はそのまま脂肪となります。
揚げ物や油を多く使った中華、脂身の多い肉は避けていきます。
魚、納豆、豆腐、赤身などの脂身の少ない肉を選んでタンパク質を積極的に摂ってください。
サラダにかけるドレッシングもノンオイルのものをお使い下さい。
ただ、オリーブオイルは糖の吸収を緩やかにする働きがあるので、少量をサラダにかけて食べるのは逆にお勧めです。
遅い夕食は工夫で切り抜ける!
今はコンビニのお惣菜もバリエーションが豊富です。
賢く選ぶには商品の裏にある食品成分表示をよく見ながら選んでいきましょう。カロリーだけでなく、糖質、脂質、タンパク質がどのようなバランスで入っているかをチェックしてください。
それが面倒なら、遅い夕食の後に1時間ほどウォーキングかジョギングをしましょう。
といっても、それが出来ないほど忙しいわけですから、食べ物を選ぶぐらいは走るより簡単ではないでしょうか。
忙しくて夕食が遅いなら、それに合わせた賢い食事に切り替えていきましょう。食べたいものを食べたいだけはでは脂肪はたまる一方です。