糖質制限、糖質OFFなど、世の中は糖質カットブームですね。
今は多くの食品に食品成分表示がついているので、一目で手に取った食品に糖質が何グラム入っているのか分かります。
一日の摂取する糖質量を決めて実行していくと、こんな疑問が起ったりします。
ご飯とケーキで「同じ糖質量」だったらどちらを食べてもいい?
さて、あなただったらケーキとご飯のどちらを選ぶのか答えをだせますか?
目次
糖質ってひとまとめにされているけど…
ところで、糖質とは何でしょう?
脂肪、タンパク質と並んで私達が生きていくためにいくために絶対に必要な3大栄養素の一つです。
3大栄養素は炭水化物じゃないの?と思った方は鋭い!
実は近年、炭水化物から糖質に変わりました。
炭水化物と糖質は同じように語られますが、厳密には違います。
炭水化物 = 食物繊維 + 糖質
炭水化物から食物繊維を取り出すと糖質になります。
食物繊維はその重要性が分かり第6の栄養素として独立しました。
その結果、3大栄養素の炭水化物は糖質に、5大栄養素は1つ増えて6大栄養素になりました。
糖質自体も種類が色々あります。
多糖類(でんぷん)、アルコール、合成甘味料、糖類…
ややこしいのですが、「糖類」というものもあります。
糖類に分類されるのは単糖類、二糖類はブドウ糖、果糖、砂糖、ショ糖になります。
なので、一言で糖質といってもアルコールから砂糖までさまざまです。
同じ糖質だけど、実は同じじゃない!
食品表示には糖質となっていますが、先もお伝えした通り糖質自体はさまざまな種類があります。
これから食べる食品の中にどんな糖質が入っているか?
その見極めが大切です。
ケーキとご飯ではどう違うのでしょうか?
ケーキはショートケーキとしましょう。
ご飯の糖質は主にでんぷんで多糖類です。
ケーキの糖質は二糖類の砂糖とでんぷんの小麦粉です。
問題はケーキの砂糖。
砂糖は二糖類で単糖類が2つくっ付いた単純な形です。
なので、分解が早く吸収されるスピードもとても早いのです。
それに対して、ご飯のでんぷんは多糖類で複雑な形のため、砂糖より分解に時間がかかります。
その分、砂糖に比べて吸収も遅くなります。
この違いが同じ糖質でも差になって現れます。
吸収の早い遅い、一体どんな違いになるの?
糖質は分解されてブドウ糖になり吸収され、血液に乗って全身に回ります。
そして、血液中のブドウ糖がどの位かを表す数値が「血糖値」です。
血糖値が上がると出てくるものが血糖コントロールホルモンの「インスリン」です。
インスリンはブドウ糖を細胞の中に入り込ませ、血糖値を下げる役割があります。
私達の体には脂肪を貯め込むことに特化した細胞があります。
それが脂肪細胞です。
血液に乗って運ばれたブドウ糖はまずグリコーゲンとして筋肉などにたくわえられますが、グリコーゲンが足りている場合はこの脂肪細胞がブドウ糖の受け皿になります。
脂肪細胞の中に入ったブドウ糖は細胞の中でせっせと中性脂肪に変えられていきます。
あなたのお腹やお尻、太ももに付いた脂肪は元から脂肪ではなく、ブドウ糖が脂肪に変わった可能性が高いのです。
上がったり下がったりがキケンなのです
ケーキを食べると、砂糖が早く吸収されることで血糖値が上がり、インスリンが大量にドバッと出てきます。
一挙に放出されたインスリンの効果でブドウ糖は脂肪細胞に吸収され、今度は血糖値が急激に下がります。
この血糖値の上がったり下がったりの乱高下が食欲の乱れにも繋がります。
血糖値の乱高下で、余計に甘いものが欲しくなる悪循環が起ることも。
それに比べるとご飯のでんぷんは砂糖よりも吸収が遅い分、血糖値の上昇スピードも砂糖ほどではありません。
だからご飯がいいかというと…
ケーキとご飯、同じ糖質ならどちらを食べても同じかというと…
同じではない!となりますね。
含まれる糖質の違いで、体に入ってからの消化、吸収、そしてその後の体への作用が違ってきます。
じゃあ、ご飯なら食べて平気かというと実はそう単純ではありません。
砂糖に比べてご飯のでんぷんは吸収が遅いだけであって、分解されてブドウ糖になっていくのは変わらないのです。
糖質自体は脂肪やタンパク質に比べて消化、吸収は早いのです。
白米だけのおにぎりを食べたら、ケーキの中の砂糖に比べて吸収が遅いだけでそこそこの早さで血糖値は上がります。
ケーキを我慢して、おにぎりだったら大丈夫よね…とはならないのです。
ケーキもダメ、ご飯もダメなの?
なら、ケーキもご飯も食べれない!
一体、何を食べたらいいの?となりますね。
ここでポイントになってくるのがいかに吸収をゆっくりさせるかです。
インスリンの上り下がりの振れ幅が少ない方がいいのです。
なのでご飯だけのおにぎり、パンだけといった糖質のみの食事が問題なのです。
ご飯のいい所はおかずが必要な点です。
野菜やお肉、魚、汁物など他の食品と一緒に食べることによってご飯の消化と吸収のスピードがゆっくりになります。
インスリンはブドウ糖だけに反応するホルモンで、脂肪やタンパク質では上昇しません。
糖質はタンパク質や脂肪、そして食物繊維と一緒にとっていくことで血糖値の急な上昇を防いで、インスリンが過剰に分泌されないようにします。
また、食物繊維も糖の吸収を緩やかにします。
トクホの食物繊維が入ったお茶や飲料水など活用するのも一つの手です。
まとめ
同じ糖質量ならケーキでもご飯でも、どちらでもいいとはなりません。
どんな糖質が入っているかで違ってきます。
原材料の表示は使われている量が多い順に並んでいます。
砂糖や果糖ブドウ糖液などがトップにくる食品は血糖値の乱高下が起きやすくなってきます。
詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
ケーキを食べてはいけない、おにぎりを食べてはいけない!というわけではありません。
食べたあとに体の中でどうなるのかを知っておくと、どうしたらいいかも分かってきます。
ぜひ、食べ物の中の糖質についてチェックをしてみて下さい。